2019年 12月 09日
「気軽さ」生むリノベの2手法 アシンメトリー&内外連続性 |
こんばんは。大澤一実です。
「ちょっと中を見たいけど、ドア開けるのためらうな」
「ちょっと中を見たいから、さらっと入ってみよう」
この違いは、どこから来るのでしょうか?
今日は、外観やアプローチがもたらす、「気軽さ」について書いてみます。
左右対称、シンメトリーが特徴だった「手づくりの家」。
ご存じの通り、シンメトリーは左右対称、アシンメトリーは非対称な見た目を言います。
シンメトリーなファサードは、威厳や安定感をもたらすと言われています。
シンメトリー建築の代表例は、ベルサイユ宮殿や、ノートルダム大聖堂。
日本では、金閣寺や平等院鳳凰堂、東京駅なども左右対称ですね。
神聖さや荘厳さが求められる宗教建築には、シンメトリーな建築物が特に多いです。
(ベルサイユ宮殿)
シンメトリー建築の多くは、センターに入口(玄関)があります。
ここでちょっと、イメージしていただきたいのは、
荘厳なシンメトリー建築に真正面から足を踏み入れる時、
別世界に入る心の準備が必要というか、少し勇気がいる感じ、理解していただけますか?
「手づくりの家」も、家のセンターに両開きの玄関ドアがありました。
10年以上活動してみて感じていたこととして、
お客様が玄関ドアを開けるのに少し勇気がいるのではないか、という感覚がありました。
(シンメトリーな手づくりの家ファサード)
そこで、今回のリノベーションに際し、
今まで以上に「気軽に」入っていただける外観やアプローチにできないかということを、
私としては、まず最初に考えました。
そのために今回、2つの工夫を試みています。
①ファサードのアシンメトリー化
アシンメトリーは、気軽さや安心感、遊び心などをもたらすと言われます。ファサードを可能な範囲でアシンメトリー化する事で、気軽に入れる感じが出せるようになります。
「ちょっと中を見たいけど、ドア開けるのためらうな」
「ちょっと中を見たいから、さらっと入ってみよう」
この違いは、どこから来るのでしょうか?
今日は、外観やアプローチがもたらす、「気軽さ」について書いてみます。
左右対称、シンメトリーが特徴だった「手づくりの家」。
ご存じの通り、シンメトリーは左右対称、アシンメトリーは非対称な見た目を言います。
シンメトリーなファサードは、威厳や安定感をもたらすと言われています。
シンメトリー建築の代表例は、ベルサイユ宮殿や、ノートルダム大聖堂。
日本では、金閣寺や平等院鳳凰堂、東京駅なども左右対称ですね。
神聖さや荘厳さが求められる宗教建築には、シンメトリーな建築物が特に多いです。
シンメトリー建築の多くは、センターに入口(玄関)があります。
ここでちょっと、イメージしていただきたいのは、
荘厳なシンメトリー建築に真正面から足を踏み入れる時、
別世界に入る心の準備が必要というか、少し勇気がいる感じ、理解していただけますか?
「手づくりの家」も、家のセンターに両開きの玄関ドアがありました。
10年以上活動してみて感じていたこととして、
お客様が玄関ドアを開けるのに少し勇気がいるのではないか、という感覚がありました。
そこで、今回のリノベーションに際し、
今まで以上に「気軽に」入っていただける外観やアプローチにできないかということを、
私としては、まず最初に考えました。
そのために今回、2つの工夫を試みています。
①ファサードのアシンメトリー化
アシンメトリーは、気軽さや安心感、遊び心などをもたらすと言われます。ファサードを可能な範囲でアシンメトリー化する事で、気軽に入れる感じが出せるようになります。
具体的には、
エントランスドアをセンターから少しずらしたり、玄関庇を片方向に伸ばしたりすることで、中心性を軽く崩しています。
・左右両開きの玄関ドア→右は片開きの玄関ドア、左はFIXの大きな窓として、対称性を崩しました。
・玄関庇をファサード左側まで大きく伸ばし、対称性を崩しました。
費用・構造の面もありますので、できることは限られます。
・玄関庇をファサード左側まで大きく伸ばし、対称性を崩しました。
費用・構造の面もありますので、できることは限られます。
それでもある程度の効果が得られそうな気配です。
ただ、下の模型写真で見ても分かるように、上階の窓や屋根形状までは変えられませんでした。
形状としてのアシンメトリー化には限界があります。
今後の植栽の配置などで、もう一工夫ほしいところです。
模型ではわかりにくいかもしれません。
また、追々、写真などで紹介できればと思います。
②内外の連続性確保
もう一つ、取り組んだのが、内外の連続性確保です。
玄関ドアの外は「外部」、中は「内部」であることは確かです。
そこに、「外部」と「内部」の中間領域があると、安心感や興味が生まれるよな、ということです。
まず、一番簡単な仕掛けは、外から中が見えやすいような窓を設けることでした。
今回、玄関ドアを片開きドアにしたことで、ドアの脇には比較的大きなFIX窓を設けることができます。
道端から中の活動の様子が見えるということは、訪れる人の安心感につながるはずです。
楽しそうで魅力的な空間がちらっと見えたりしたら、
きっと、「見てみたいな」と感じていただけるのではなかと思うのです。
他にも道路からよく見えるいくつかの窓があります。
カーテンや照明、家具や小物など、その窓の中に何が映るのか、
計算しながら計画を進めています。
一方、
もっと根本的に、何かできないか、
費用も手間もかかる話なのですが、
「引きのあるアプローチ」をもう一つ作ってしまおうかな!
というのが、私たちのもう一つのチャレンジです。
上の写真で、建物の左サイドの奥には地下室前のドライエリアがあります。
そのドライエリアに道路から直接アプローチできるようにして、
建物のサイドから気軽に回り込めるようなアプローチを作ることにしました。
有名な前川國男邸も、大きな切妻屋根のシンメトリー住宅です。
が、アプローチはセンターではなく、少しずれたところから入るよう計画されています。
この辺の概念を少しでも採り入れて、より柔らかな方向にしたいなというのが狙いです。
気楽さ、入りやすさ、やさしさを生み出す、アシンメトリーの深いアプローチ。
施工はこれからですが、うまく進むことを楽しみにしています。
この話は、新築にもリノベーションにも役に立つ考え方です。
シンメトリー/アシンメトリー、それぞれの特徴を生かした設計を意識的に使い分けて、
日頃から取り組んでいければと思います。
ただ、下の模型写真で見ても分かるように、上階の窓や屋根形状までは変えられませんでした。
形状としてのアシンメトリー化には限界があります。
今後の植栽の配置などで、もう一工夫ほしいところです。
模型ではわかりにくいかもしれません。
また、追々、写真などで紹介できればと思います。
もう一つ、取り組んだのが、内外の連続性確保です。
玄関ドアの外は「外部」、中は「内部」であることは確かです。
そこに、「外部」と「内部」の中間領域があると、安心感や興味が生まれるよな、ということです。
まず、一番簡単な仕掛けは、外から中が見えやすいような窓を設けることでした。
今回、玄関ドアを片開きドアにしたことで、ドアの脇には比較的大きなFIX窓を設けることができます。
道端から中の活動の様子が見えるということは、訪れる人の安心感につながるはずです。
楽しそうで魅力的な空間がちらっと見えたりしたら、
きっと、「見てみたいな」と感じていただけるのではなかと思うのです。
他にも道路からよく見えるいくつかの窓があります。
カーテンや照明、家具や小物など、その窓の中に何が映るのか、
計算しながら計画を進めています。
一方、
もっと根本的に、何かできないか、
費用も手間もかかる話なのですが、
「引きのあるアプローチ」をもう一つ作ってしまおうかな!
というのが、私たちのもう一つのチャレンジです。
上の写真で、建物の左サイドの奥には地下室前のドライエリアがあります。
そのドライエリアに道路から直接アプローチできるようにして、
建物のサイドから気軽に回り込めるようなアプローチを作ることにしました。
有名な前川國男邸も、大きな切妻屋根のシンメトリー住宅です。
が、アプローチはセンターではなく、少しずれたところから入るよう計画されています。
この辺の概念を少しでも採り入れて、より柔らかな方向にしたいなというのが狙いです。
施工はこれからですが、うまく進むことを楽しみにしています。
この話は、新築にもリノベーションにも役に立つ考え方です。
シンメトリー/アシンメトリー、それぞれの特徴を生かした設計を意識的に使い分けて、
日頃から取り組んでいければと思います。
デザインすることの魅力
費用や法規、構造、施行面でのせめぎ合いが常にある、そこが面白いところでもあります。
by eco_house
| 2019-12-09 22:49