バスガイド原稿 ②たまプラーザ方面 |
バスガイド原稿 その2
こちらも面白いですが、、、長文です。すみません。
それでは、マップに記載の通りまだまだたくさんあるのですが、ひとまずこれくらいにしまして、次は2番目、地図では北欧ハウスとしましております、美しが丘の家です。街並みの解説を加えながら少し東京寄りの「たまプラーザ駅」方面まで移動して参ります。
横浜北部の土質・地盤
ところで、このあたり一帯は多摩丘陵と呼ばれまして、土質は関東ローム層といわれる赤土が厚く堆積しています。ロームはご存じの通り富士山からの火山灰で、赤土の赤色は鉄の成分によるものです。この近辺の 標準的な地盤は表層の1mくらいまでが黒土、その下に5m~10mほどまでが関東ローム層、さらに下に砂質層や土丹層があるというケースが多いようです。関東ロームの層厚は、富士山に近い御殿場あたりですと100mに及び、東京23区でも5m前後あります。ローム層は粘土とシルト、それに砂がまじった保水性と浸透性を持った土です。
宅地造成時の切り盛りの影響なども顕著にありますので、7~8割の敷地で地盤改良を行います。地盤データは敷地によってまちまちですので、毎回神経を使うところです。通常はSSや表面波探査を行うことが多いですが、本日はボーリング調査の土質標本を持参しましたので、今から参考にお回しします。
もえぎ野池
この池は、もともとはため池で、農業用水として使われてきましたが、今は公園として憩いの場になっています。大工とここで花見大会をしたりもします。
住宅メーカーのまち中モデル
この建物は、今は一般の方が済んでいますが、少し前まである住宅メーカーの「街なかモデル」でした。形式上は建売住宅として売り出されているのですが、あえて価格を相場よりかなり高く設定し、だれも買わない金額にする。この方法で、事実上のモデルハウスとして運営されていました。用途地域その他の関係でモデルハウスと公言できない場合に最近よく使われている手法です。
このあたり一帯で我々が最も多く競合する住宅メーカーは、このハウスメーカーです。このエリアでブランドを確立しており、洋風の外観など、ファンが多くいます。次に多いのは、SハウスやS社といったところです。
地場の工務店もいくつかあるのですが、新築メインの工務店はこの10年ほどで倒産したりして減り、最近はリフォームメインのところが多い印象を受けます。ライバル企業も多い中で当社が淘汰されずにやってこられたのは、本当に新住協のおかげだと思っています。
横浜北部と東日本大震災
東日本大震災から6年半ほどたちますが、私は昨日のことのように記憶しております。このあたり一帯は震度5強から5弱程度で、人的被害や建物被害は比較的軽微でしたが、横浜駅周辺や川沿いの低地では液状化が発生しました。今日ご利用になった方も多いかと思いますが、JR横浜線の新横浜の先に日産スタジアムがありました。その次の鴨居駅付近までは縄文時代まで東京湾の入り江になっていましたので、東日本大震災時には道路や大規模商業施設などで液状化被害が生じました。あるいは、昨日の会場の近く、関内エリアは古い埋め立て地ですので、雑居ビルの外壁材が落下したり、開口部周りに大きなひびが入ったり、それなりの被害を受けていました。
横浜線の歴史
今日乗ったJR横浜線ですが、今から100年以上前の明治41年、甲信地方や八王子で作られた生糸を横浜へ輸送し、海外へ輸出することを目的として開業されました。横浜線開通以前は八王子から横浜に向かって、生糸を背負った商人たちが歩いた「絹の道」と呼ばれる街道がありました。「桑の都」と言われていた八王子や秩父にかけては生糸の生産が盛んで、また、甲州街道の宿場町でもありますので、甲信地方から絹の道への拠点となっていました。さらに、現在でも八王子の先には八高線という電車が走っておりますが、これは八王子の八と高崎の高で八高線ですので、世界遺産の富岡製糸場がある高崎方面まで通じているわけです。当時、日本の輸出額の6割近くを生糸が占め、輸出を通じて大儲けした人が大勢いました。
昨日の総会の前、日本大通り駅から降りた方は、シルク博物館の前を通ってワークピア横浜にいらっしゃったのでお気づきになった方もいたかもしれません。
今日の最初の見学地の長津田駅周辺も、かつては桑畑が広がっていたそうです。
鶴見川
今渡りましたのが鶴見川の本流で、今日最初に見たのがこの支流の恩田川です。2本の川に挟まれた丘陵地帯が私共の得意としている2キロ圏エリアでございました。この先にも当社の住宅はたくさんございますが、やはり物理的に川で隔てられるというのは大きい影響がございまして、この先はまた少し異なる文化圏、当社をご存じない方が多いエリアでございます。
古墳群
今の鶴見川を越えまして、これからまた丘を登っていきますが、このあたりの大地はところどころに有名な古墳がありまして、古墳時代の豪族の円墳や横穴式古墳がかなり多くあります。それから、縄文土器もあちこちで出土しますので、工事の際に試掘調査の要否を確認しなければならないケースもございます。
大場町住宅街のクリスマス電飾
毎年クリスマスの前になりますと、ここから少し行ったところの大場町というところが名所になっていまして、家じゅうを電飾でデコレーションするのを競い合う一帯があります。クリスマスになると、外構から建物本体まですべて電飾で覆った家が並びます。最近はLEDですが、電気代も壮太応なものだと思います。毎年テレビで紹介されるのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
事例8 エコハウス旧モデルハウス
左前方、太陽光発電が載っている家が、高断熱住宅に取り組み始めて数年後のモデルハウスです。1991年の竣工です。このモデルハウスでは高断熱住宅の体感入居などもずいぶんやりまして、高断熱住宅を建させていただくきっかけになりました。
床壁天井ともグラスウール、当時としては先進的だと思いますが、外周部をOSBで固めています。太陽光発電、当時は500万円程度したと聞いております。今も現役で稼働中です。
みすずが丘
このあたりは、先ほどの青葉台よりも後になって開発された一帯ですので、街並みとしても比較的新しい一帯に入って参りました。青葉台もそうですが、もとは山だったところを東急電鉄が造成して宅地化して、このような街並みになっています。駅前でない交差点にスターバックスがあるのはこのあたりでは珍しい光景です。
慶応初等部
慶応大学の付属小学校です。昔から慶応幼稚舎という小学校が恵比寿にありますが、こちらは、新しく2013年に開校しました。昨年の倍率は12倍だそうです。設計は日本設計、施工は銭高組、全体統括を東急電鉄が行っています。きれいな芝生の校庭です。RC一部SRCの4階建てです。1階の教室からはそのまま校庭に出られるようになっています。慶応の誘致に成功し、周辺住宅街の地価が相当高騰したと聞いています。
入学金340,000円 授業料(年額)940,000円 施設設備費(年額)450,000円 のほか、教材費・給食費などが別途かかります。
最新の分譲地
このあたりで最新の分譲地です。芸能人や経営者の方も多くお住まいだそうです。今バスで回っているこのあたり一帯は東急田園都市線というくらいですので、ハワードが唱えた「田園都市構想」を手本に東急電鉄が開発した沿線です。ハワードは、田園に囲まれた人口3万くらいの美しい町を大都市周辺につくることを説き、実際にイギリス・ロンドン郊外のレッチワースで体現されました。
田園都市の理想は、都市が分散し、都市と田園の長所を兼ね備え、自然と社会機能がともにあり、低い家賃と物価、高賃金などの特色をもつとされています。
日本では田園調布や、ここ田園都市線沿線もその一例とされていますが、ハワードの理想とはだいぶ離れておりまして、青葉区だけで人口30万人、人口密度も9000人近く、家賃も物価もむしろ高い、というのが実際のところです。
この一帯の販売ホームページを見ると、いろいろ謳われており、まず電柱を地中化しています。他に魅力としてうたわれているのは、横浜市青葉区の土地の地価評価の高さ、屈指の進学率などです。青葉区の小学生の3割が私立中学校、高校から大学関係への進学率が6割だそうで、高めの数字なのだそうです。あるいは利便性・環境の良さに加えて、健康(横浜市青葉区:長寿日本一)、安心(横浜市青葉区は犯罪・火災の発生率が少ない、高台で水害の心配がない)などが挙げられています。
土地代は、青葉台駅徒歩10分で40坪の土地で5000万円くらいからでしょうか。この直近では、良い条件の敷地は坪150万円越えになっています。
結果的に、土地から購入するお客様ですと上物にかけられるお金は限られまして、若い方は2000万円~2500万円くらいが多いと思います。当社の平均受注単価は、二世帯住宅などもありますので、直近で3000万円少し超えるくらいかと思います。
住宅型有料老人ホーム
右手に見えてきた低層マンション、これはシニアレジデンスといわれる、定期借地権タイプの住宅型有料老人ホームで、2003年の完成です。2054年までの50年間の定借で、今から37年後が解体期限になっています。
一番小さな59㎡の1LDKワンルームタイプで前払金5300万円、管理費とサービス料が別途、毎月15.7万円かかるそうです。
桜並木
この通りの桜並木は毎年きれいに咲くのでわりと有名な通りの一つです。横浜の街路樹で多いのは、桜やケヤキ、エコハウス本社前はイチョウ並木です。
カリタス女子短大
右に見えてきたのがカリタス女子短大、カナダのケベックに本部を置くケベック・カリタス修道女会が母体です。青山学院の女子短大が募集停止というのがつい先日ニュースになりましたが、カリタスもすでに募集を停止、少子化の影響もあり、女子大・短大は学生集めが大変だそうですね。
劇団四季
この右側が劇団四季の芸術センターです。大中小10の稽古場が多数あり、床材や音響効果等に万全の配慮がなされています。個人レッスンを積む25の研究室のほか、トレーニングジム、マッサージルーム、食堂までを完備したまさに理想的な環境です。
低層マンション
低層タイプの高級マンションが比較的多いエリアです。こちらは東急の分譲マンションで築15年以上たちますが、90㎡で7500万円くらいが中古相場です。
事例8 N邸
それではこの後、実際にお住いになっているお宅をご案内いたします。建て主様はとても気さくな方です。今日はご夫婦ともご在宅で対応してくださるということです。築1年経たないお宅を、快く見せていただけるということで、今から申し上げる注意事項をお守りいただくようにお願いいたします。
手袋を配布いたしますので、ご着用ください。
靴下ご着用でないかたは、準備ございますので、ご着用ください。
くつの脱ぎはきの際、壁紙等を汚さぬようご注意ください。
収納扉・サッシ・家具類・スイッチなどには触らないようにお願いいたします。
内外とも写真撮影はご遠慮ください。SNS等への投稿及び掲載はご遠慮ください。
階段の上り下りは譲り合ってお願いいたします。
建て主様がいらっしゃいますので、マイナスのお話はお控えください。
ほめるのはいくらほめていただいてもOKです。
一部見学できない部屋がございます。立ち入り禁止の表示がございます。
リビングとダイニングの境はスキップフロアになっており段差がございます。
見学時間は15分間です。声がかかりましたら速やかにバスにお戻りください。
建物の見どころですが、床下エアコンを導入しておりまして、リビング室内にはエアコンはございません。床下エアコンは、玄関ホール奥廊下突き当りに設置してあります。各所に床吹出口がありますが、スキップフロアの段差を利用した吹出口がございます。
サッシはリクシルのサーモスH、アルミ樹脂複合サッシです。
無垢のオーク床材やスケルトン階段、照明はルイスポールセンなどが入っていたかと思います。
冬は床下エアコン、夏は上階のエアコンを中心に稼働させ、厳寒期はダイニング足元の補助暖房として温水ヒーターを使用しています。